PHILOSOPHY

陣屋の精神の継承を

小杉陣屋町は、かつて徳川家康が江戸入城の際に利用した中原街道の要所にあり宿場町として栄え、家康が御殿を設け鷹狩を楽しんだり用水路開削のために陣屋を設けるなどした、由緒正しき歴史を刻む町。
その中心にあって、江戸時代より街の発展に寄与し例大祭の時などは神酒所になるなど、地域の人々の暮らしを支え交流の場となった原家旧屋敷があったのが、この場所である。
およそ400年もの間誰の手にも渡ることのなかった2000坪余りの敷地には、門が構え、代々原家に愛でられてきた屋敷林や敷石などが残存し、街の人々の心のよりどころとなったお社が鎮座していた。
この連綿と続く時の流れを止めないように、自然や遺産を残し、この土地に積層した人々の面影を、グランドデザインや建築コンセプトへと昇華させたのが、「GATE SQUARE 小杉陣屋町」である。
プロジェクトに携わるすべての者が胸に刻んだ言葉は、「精神の継承を」。目に見えるもの以上に精神でつながることの大切さを追求した、小杉の歴史を体現するかつてない街づくりである。

明治初期の旧原家母屋

明治を代表する近代和風建築である旧原家屋敷は、
現在川崎市立日本民家園に移築・復元され、平成13年に市の重要歴史記念物に指定。
また、生活品などの民俗資料や古文書などは川崎市市民ミュージアムに収蔵されています。 >> 「原家の歴史」 紹介ページへ

(※)原家は、天明4(1784)年に肥料を売る店を開店後、米問屋、味噌屋、醤油屋、油問屋などを手広く手がけ、その後銀行業や政界にも進出し地域の発展を牽引してきました。また、石橋を方々にかけたことから「石橋本家」という屋号でも呼ばれています。昭和時代には「陣屋荘」という料亭を営み、祝い事などの会席の場としても親しまれました。この地は現在、12代目原正人氏が当主を務めています。